41th meeting
「教養」
Core Talk Cafe meeting

開催場所

喫茶茶会記(四谷三丁目)

テーマ選択の背景

第41回目のテーマは、大学の授業にもある「教養」。人を褒めるときに「あの人は教養がある」と言ったりもしますが、その内実はどういったものでしょうか。「教養がある」ということは、本当に「いいこと」なのでしょうか?

当日の様子

 まずは、みなさんが「教養」について抱いているイメージを自由に共有するところからはじめました。「みんなが知っていること」といった、「常識」と言い換えられるようなイメージを最初に言って下さった方に対し「むしろ、みんなが知らないことを知っていること」という特権階級の人が持つ財のようなものとして、呈示して下さった方もいらっしゃいました。また、「教養」の元のことばである「リベラル・アーツ」という語に立ち戻り「人を自由にするもの」といった定義が出されます。それは具体的に如何なるものだろうか、と対話はすすみ、「表現の幅を広げるための契機」であるとか「表現の基本になるもの」であるとかいったものが提案されます。そこから、「教養」は知の単なる蓄積ではなく、それを表現し応用するところまで含みこんでいるのではないか、と展開しました。「教養のある人」は、「生き字引」と言われるような人とは違い、知を適切に扱える人である、という指摘です。しかし、生きるか死ぬかの極限状況において「教養」が役に立つ知であるか、と問われれば、答えは難しく、だからこそ世間では軽視されがちなのではないか、といった声もありました。その他にも、単なる「常識」と言われるものや、「博識」と呼ばれる人との差異を明らかにしながら、対話は展開していき、「教養」の中身は変わっていくことが確認されました。「現代における教養とは何なのか?」と言った発展的な問いにもつながっていき、現代においてどのような知が求められているだろうかということについて考えを交換しているところでお時間となりました。
Core Talk Cafe digest

Digest of digest

「教養って何のこと?」
「教養はある方がいいの?」
「教養は役に立つの?」

Book Guide

『学識ある無知について』 ニコラウス・クザーヌス『学識ある無知について』(平凡社ライブラリー)
ニコラウス・クザーヌス
平凡社ライブラリー

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