40th meeting
「時間」
Core Talk Cafe meeting

開催場所

喫茶茶会記(四谷三丁目)

テーマ選択の背景

記念すべき第40回は、誰しもが一度は考えたことのある「感情」という一般的なテーマを選択しました。

当日の様子

 まず、「感情」についてどのようなことを考えてみたいか、皆さんでシェアしていただくところから始まりました。初参加の方が多かったにも関わらず「理性と感情の関係はどのようなものか」「感情はコントロールされるべきなのかどうか」というような本質的な問いが初めから提出されました。そしていくつかの問いの中から、感情がどこか良いものとされたり悪いものとされたりしている点に注目し、果たして感情自体に良い悪いがあるのかどうかが議論に。 その中で、「感情は脳内の物質の動きに過ぎないため善くも悪くもない」といった意見や、それに対する「感情は物理的なものに還元されない」という立場が生じ議論が交わされました。また、「感情それ自体」の善悪ではなく、「感情と表現」そして「感情の共有」などの面から考察しなければならないのではないか、などいった方向に問いが拡大していきました。こうして多くの問題が提出されたところで、前半が終了。
 後半は、前半の議論を踏まえ、皆さんに新たに問いを立てていただくところからスタート。それぞれの中で前半の議論が咀嚼され、「感情と芸術の関係は?」「人は負の感情に共感しやすいのでは?」「こどもとおとなの感情は違う?違うとすればどの点で?」などといったオリジナリティーのある問いが立てられました。 感情にはポジティブ・ネガティブという二つの極があるのではないか、そして特にネガティブな感情は「プライベート」「私秘的」といった性質を持つのではないか、という指摘があり、そのためにそういった感情の共有が共感を覚えやすい、伝えられることで親しみを感じる、などといった事態も生じるのではないかという説明がなされました。しかし同時に、「私は喜びなどのポジティブな感情の共有の方が強い共感を覚える」という反対意見も。
 そしてその後は、「こどもとおとなの感情の違い」というテーマに徐々に移行し、ここまでの議論を踏まえ感情の本質に迫る議論がなされました。「子どもの感情は快・不快という点的な現在しか持たないが、大人は過去や未来に向けられた感情を持つ」という意見を中心に、人間の感情の立体化・複雑化が議論されました。そしてその立体化は時間軸の広がりに留まらず、他者の感情の理解・共感などのベクトルでの広がりもまたあるのでは、と付言された方も。 最後には、それではその複雑化・立体化は果たして善いことなのか、そしてこのような性質を持つ感情を実際にどうすればよいのだろうか、という実践的な側面に関心が移ったところで時間終了。この問いはそれぞれの実生活の中へと持ち越されます。
Core Talk Cafe digest

Digest of digest

「感情はコントロールされるべきか?」
「感情を共有することはできるのか?」
「こどもとおとなの感情はどう違うのか?」

Book Guide

『情念論』 ルネ・デカルト『情念論』(岩波文庫 )
ルネ・デカルト
岩波文庫

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